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2022.06.06 こんなところで使われています!!(その5)

「こんなところで使われています!!」シリーズの第5回目は、55周年記念として京都工場内に完成した新社屋「近持記念管理棟(Chikamochi Memorial Office)」の正面玄関に設置した「定礎プレート」です。本来は「土台石を据えて建物の工事を始めること」を示す看板ですが、最近の日本の建設現場では、工事が完了するタイミングで定礎プレートが設置され、定礎の日付は「竣工日」が記載されることが多いそうです。そもそも、このような定礎プレートの内側には「定礎箱」というとても大切な箱が入っていて、プレートは腐食にも耐えうるように、銅やステンレスなどで作られています。定礎箱の中には、建物建築時の所縁のある設計図面や工事に関わった人たちの名簿、当時の新聞やその年の硬貨などが入っていて、定礎箱を開ける時すなわちその建物を取り壊す時に当時を偲ぶ目的があるそうです。勿論、日本古来のものではなく、耐用年数の長い石造の建物が多いヨーロッパで始まりました。小学校の卒業式で埋めるカプセルはこれが原点だと言う説もあります。勿論、弊社の場合は定礎箱の埋め込みはしていません。話が長くなりましたが、このプレートは、銅板にエッチングを施したもので、弊社ではこのエッチング液を作っています。ただ残念ながら、これを作るのに用いたエッチング液は弊社で作ったものではありません。弊社で作っているものは主に電子基板製造時等に使われるような純度の高いものです。なお、本写真は色艶が抜けて若干古ぼけたようになっていますが、6ケ月前に撮った写真は鏡のように反射しており、カメラマンの顔が映ってしまいNGとなりました。時間を経るとともに緑青も出て来ると思いますが、この貫禄がより一層歴史を醸し出すということなのでしょうか。